最強お菓子職人は狙われます

第十四章 倒れる神風

朝起きるのがだるかった
頭が痛い
だが
やらねばならない
俺は菓子を作るためにこの学校に来たんだ
だから
俺は重い身体を動かした
「おはよう!神風」
「………おぅ」
カーラが元気よく話してくる
俺は微笑み返事を返した
「おぅ,おせーぞ」
カシュラが嫌みたらしく言ってくる
「バーカ」
俺は笑いながらそう言った
さて,今回は何つ………
「………」
意識が遠のく
そのまま倒れる
と思ったら
カシュラの匂いがした
多分
抱きとめてくれたのだろう
あぁ,苦しいな………
ーカシュラ
俺は倒れた神風を抱き上げて先生を見る
先生は頷き俺も早退をした
勿論カーラもレイトもだ
神風が倒れるところを俺は初めて見る
熱を測ると八度近くあってびっくりした
こいつこんなんで来たのか
「ゼェ………ゥ」
苦しそうなお前なんか見たくねぇよ
熱にうなされている神風を抱きしめて俺は目を閉じる
どうか
うなされませんように
と願いを込めて
ーレイト
素直にびっくりした
神風はいつも元気だとばかり思っていたからだと思う
倒れるところを見だ俺は早退を申し出た
苦しそうな神風を見つめるカシュラ
俺は素直に引いた
今回だけは

カーラも後から来たが俺は引き止めて一緒にお茶会をした
神風,早く元気になれ
ーカーラ
僕の友達が倒れた
それは尊敬をしている神風
僕が行こうとするとレイトに引き止められる
僕はむすっとしながらもお茶会をしていた
早く元気になりなよ?
待ってるから
ー三人完
「………ッ」
夢を見ていた
それは
とても辛いものを
俺はひとりぼっちで暗闇の中走っている
息を荒らしながら走っていた
道のない道を
俺はいったいどうしたいのか
俺はどうするべきなのか
分からないまま
泣きそうになりながら走るのを止めない
そんな時
「「「神風」」」
声が聞こえたんだ
大切な友人の声が
聞こえたんだ
「神風,そっちじゃないぞ」
大切な家族の声が
爺ちゃんが止めた
俺は光の方へ走る
手を伸ばすと
目の前には天井が見えた
近くからは寝息が聞こえる
ちらりと目を横にするとカシュラが寝ていた
見るからに看病してくれたのだろう
俺は自分に笑う
情けない
ただ
そう思ったんだ
「ゆぅ………ん?」
カシュラと目が合う
目を見開いてカシュラは起き上がる
「神風!」
「おいおい,煩いぞ」
溜息を吐きながら俺は起き上がった
カシュラは慌てて俺を支える
「悪かったな」
頭を下げて言うとカシュラは首を振る
「気付かなくて悪い」
「何故?お前のせいじゃない俺の自己管理がいけない」
ガシッと肩を掴まれた
「そんなこと言うな」
その目は真剣だった
だから俺は頷き
「そうだ………!?」
そうだなと言おうとしたら口に感じる違和感
それは柔らかく温かい
「………」
「………っ」
それがキスだと知るのにはだいぶかかった
俺は離れようとカシュラの胸板を押すがその手すら絡めとられる
「ん………ッ」
息ができなくて涙目になりながら酸素を求めた
だが
カシュラは待っていたかのように舌を入れる
「ンゥ!?ッハ」
腰が砕けそうで
おかしくなると思いカシュラを押し退ける
「ケホっ,何して」
「神風,好きだ」
好き?
カシュラが?
俺のことを?
え?
「は?」
「返事待ってる」
そう言い部屋から出るカシュラ
その顔は赤く染まっていた
「!?!!!?」
そう言う俺も赤くなっていた