“ありがとう”を伝えていくことから始めてみよう。 会えたときには笑顔で話しかけよう。 今日もまた名前を聞くのを忘れていたことに気づいて、次こそはとつくった拳に力を込めた。 携帯の時計を確認したら、電車の時間まであと3分しかなくなっていた。 今日は、造形教室の事務所で次回の準備があるからこれから作業に向かう。 私は、慌てて駅へ向かって一目散に走り出した。