怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~

【は? ムカつく。まあ、やってないとは言わないけど】
【それにもしかしたら、本当に何か出るかもよ。ここで三人死んでるし】
【一人は、そこに埋まってるもんね。良いね! 面白いじゃん!】
【じゃあ、俺がネタ考えるから、よろしくな】
【OK】

 読み終えた要は田中を伺い見る。田中は先程と同じように、身体を震わせていた。

「なんで、どうしてこんなものが!? データは全部消して、スマホは燃やしたはず……!」

 田中は動揺して思わず口走った。ハッとして口を真一文字に結んだが、時既に遅かった。

「口を滑らせましたね、田中さん。焼却炉で、スマホと思われるプラスチックを発見しました。田中さん、大島さん、そして猪口さんの物でしょう」
「これって、田中さんが完全に首謀者じゃん!」

 割って入って笹崎が吠えた。田中を睨み付ける。

「SNSで通じただけのわりには、随分と仲が良さそうですねぇ。まるでお付き合いしていたか、長いことお友達でいるみたい」

 嫌みったらしく言って、要は憎々しげに続けた。

「注目すべきなのは、時刻ですよ。大島さんからの返信にあなた即レスしてる。WI―FI環境が安定してないわりには、随分と速い。しかも、今思い出しちゃったんだけど、あなた何故霊能者を呼んだかに対して、ラップ音がする。ネットサーフィン中に昔の事件を知って不安になったからだと仰ったけれども、すぐに回線が止まってしまうような環境の中で、ネットサーフィンなんか出来るわけがない! このペンションにはちゃんとした固定の回線があるんです! ですよね、田中さん!」

「要ちゃん、それ今必要かなぁ?」

 必死になって詰問する要に、由希は張り付いた笑みを浮かべた。

「回線は数日前に全部線切って捨てた。もう必要なかったし、あるのが見つかったら面倒だったから」

 田中は自嘲を浮かべながら、ため息をつく。

「救助を呼ばれたくないですもんねぇ。ああ、あたしのネット環境っ!」
「要ちゃん、帰ればたくさん出来るから」
「我慢できないっ!」
「我慢してね~」

 由希に宥めすかされながら、要はもう一枚紙を渡された。それは、古い新聞だった。要の表情が途端に真剣なものに変わる。

「八年前、この山に家族で遊びに来ていた少女、前園花華ちゃんが行方不明になっています。それを伝える新聞がこれです」