「あなたは少しお粗末ですねぇ。証拠となりうるものを残しすぎてる。猪口さんのものと思われる舌。血痕、ソファの沁み、大島さんの火傷の跡、ああ、大島さんの衣服からもきっと、調べれば灯油の成分や香油の成分が発見されるでしょうねぇ。それにレシート、おそらく店にあると思われる監視カメラの映像。それと、マスクのDNA」
「マスク?」
尋ねたのはジャブダルだった。要は彼を一瞥して、視線を田中へ戻す。
「大島さんの部屋には、おかめのお面(マスク)がありました。あかね達を襲撃した理由はあたしのパソコンを奪うためだから、これは元々の計画にはなかったはずです」
田中は、パソコンというワードに微かに反応したように思えた。要は薄っすらと笑みを浮かべ、続ける。
「田中さんは何故パソコンが欲しかったのか。それは、秋葉がこう言ったからです。〝要がさっきパソコンで調べて大島さんが荒らしや仮面だと掴んだ〟と。何故、田中さんは大島さんが荒らしや仮面だと知られたくなかったのか。いや、本当に知られたくなかったのは、別のことですよね?」
「……」
窺う視線に、田中は顔を背ける。それは是を意味していた。
「田中さんが知られたくないことを、あたしが知っている可能性は極めて低かったはずだ。それでもあなたは居ても立っても居られなくなって、パソコンを盗み出すことにした。素顔のままじゃ、あたし達が起きてしまったときにすぐにバレてしまうから、大島さんのお面とマントを借りた。ねえ、田中さん。――お面はちゃんと拭きました?」
ぎくりと田中の肩が僅かに震えた。
「計画になかったことです。緊急でした。しかも、あかねが起きてしまい、秋葉によって救出され、逃亡された。あかね達は崖から落ちたみたいなので、あなたは一安心したでしょう。でも、帰ってみたら、緊急事態になっていましたよね?」
「なんかあったか?」
ジャブダルが独り言を呟きながら首を傾げる。
「由希が悲鳴を上げたので、皆が起きて来てしまったのです」
「ああ」
思い出したようにジャブダルが手のひらを軽く叩く。
「お面とマントはジャブダルさんが二階へ行ったので、大島さんの部屋へ戻せたでしょう。でも、お面の内側や、マントの指紋を拭き取る時間なんてなかったはずです。だって、早く合流しなくちゃ、疑われちゃうものね」
「マスク?」
尋ねたのはジャブダルだった。要は彼を一瞥して、視線を田中へ戻す。
「大島さんの部屋には、おかめのお面(マスク)がありました。あかね達を襲撃した理由はあたしのパソコンを奪うためだから、これは元々の計画にはなかったはずです」
田中は、パソコンというワードに微かに反応したように思えた。要は薄っすらと笑みを浮かべ、続ける。
「田中さんは何故パソコンが欲しかったのか。それは、秋葉がこう言ったからです。〝要がさっきパソコンで調べて大島さんが荒らしや仮面だと掴んだ〟と。何故、田中さんは大島さんが荒らしや仮面だと知られたくなかったのか。いや、本当に知られたくなかったのは、別のことですよね?」
「……」
窺う視線に、田中は顔を背ける。それは是を意味していた。
「田中さんが知られたくないことを、あたしが知っている可能性は極めて低かったはずだ。それでもあなたは居ても立っても居られなくなって、パソコンを盗み出すことにした。素顔のままじゃ、あたし達が起きてしまったときにすぐにバレてしまうから、大島さんのお面とマントを借りた。ねえ、田中さん。――お面はちゃんと拭きました?」
ぎくりと田中の肩が僅かに震えた。
「計画になかったことです。緊急でした。しかも、あかねが起きてしまい、秋葉によって救出され、逃亡された。あかね達は崖から落ちたみたいなので、あなたは一安心したでしょう。でも、帰ってみたら、緊急事態になっていましたよね?」
「なんかあったか?」
ジャブダルが独り言を呟きながら首を傾げる。
「由希が悲鳴を上げたので、皆が起きて来てしまったのです」
「ああ」
思い出したようにジャブダルが手のひらを軽く叩く。
「お面とマントはジャブダルさんが二階へ行ったので、大島さんの部屋へ戻せたでしょう。でも、お面の内側や、マントの指紋を拭き取る時間なんてなかったはずです。だって、早く合流しなくちゃ、疑われちゃうものね」



