予想外の怪談話。

さっきの声と同じ声がした。

ゆっくりと見上げる。

そこには、写真の奴がいた。

「きゃあああああ!」

大声で叫んだ。

店内の人の視線が一瞬にして私に集まる。

そいつは、少しずつじりじりと距離を詰めるように寄ってくる。

「いや…こないで…。っ、なんで私にしか視えないの!?」

クモがやるみたいにお腹を上にして這いつくばる。

「え、詩音? どうしたの?」

さっきまで呆然と見つめていただけの花音が私に声をかけた。

「なんで…私なの……?」

周りには私以外の人が、いっぱいいるのに。

奴が近づいてくる。

触れようとしてくる。

「この顔、わかる? 誰だかもわからないだろ。顔面はぐちゃぐちゃになったからな」

覚えてもいないのか…、そう付け足して奴は近づく。

一瞬、見覚えがあるような気がしたけど、目を逸らした。

そんなわけ、ない。

「詩音…? どうか、したの?」

花音の声まで恐ろしく感じられてくる。

ん…?

花音…?