客観side

『今日も…きったない世界だなぁ…』

一人の少女がこう呟いた。

少女が握りしめる拳は紅く、

少女の周りには華を咲かせた人間が

ゴロゴロと横たわっていた。

『あぁ…可哀想な人たち…

救われなかった…救えなかった…

こうなるしかなかった可哀想な…人…』

そう呟く彼女の瞳は紅く輝いたと思いきや

またその瞳は色を変え、艶やかな青になった。

月明かりに照らされた彼女は

誰が見ても思うだろう。

“美しい華だ”と…。



客観side end