眞央がこんな風に、過去に縛られるような人だとは思っていなかった。
そういう一面を知ることができて良かったと思うのは、眞央には悪いかもしれないけど。
隙のない眞央よりも、今の眞央が好きだ。
「躓いて、転げて、そこから起き上がれなかったらわたしは眞央ちゃんのせいにしてたかもしれない」
「……責任転嫁も甚だしい」
「文句は言えるんじゃん。でも、ちゃんと起き上がったよ。歩幅が揃わなくても道は交われるように」
立ち止まりさえしなければ、歩みは歩みだから。
いつか進み始めるのなら、止まっている今は準備のための時間だから。
両親やかおるの支えだってあった。
今なにもできなくても、いつか何かを始めるための準備だと思えば気負わずにいられるんじゃないかって。
そんな言葉のひとつやふたつで振り切れるほど単純ではなかったけど。
「眞央だけがわたしの真ん中にいるわけじゃないんだよ」
逆の立場だったら、わたしも眞央のためにできることをたくさん探したはず。
自分のせいだと責めることもきっとある。
でもきっと、眞央の周りに自分以外の誰かがいることを想像して、自分にもできることではなくて自分にしかできないことを探しただろう。
わたしは、眞央にしかできないことがほしい。
「眞央は、眞央だけは、ずっといちばんそばにいてほしいの」
何度も想いは伝えてきたのに、これが初めての告白と錯覚するような緊張が走って目眩までした。



