「…ごめんなさい。つ、次からは気をつけます」
耳に届いたのは小さな声。
…まさか、怒ったと思わせた!?
俺は花莉のほうへと目を向ける。
花莉は下を向いていて、なんだか反省している様子。
「怒ってねぇから。ほんとに気にすんなよ」
もう一度わしゃわしゃと彼女の頭を撫でてあげる。
すると、彼女は赤い顔を上げて
「ごめんね…私も詩優に謝らなくちゃいけないことがあって」
と言った。
…“謝らなくちゃいけないこと”?
「あ、あの……この間、一緒にお風呂入ったでしょ?
私が詩優を強引にお風呂に入れちゃったから、タオルとスウェット持ってったの。その時に、詩優の……し、下着も私が持ってっちゃって……」
花莉はまた下を向いて、「勝手にごめんね」と謝る。
確かに、あの時俺の下着があったのはびっくりした。
でも、下着があって助かったし、持ってこられて嫌なわけじゃない。花莉は彼女だし。



