ゆっくり花莉の手を離すと、彼女は置いておいたドライヤーへと手を伸ばして。 「私が乾かしてあげる!!」 ドライヤーのスイッチを入れる花莉。 「さんきゅ」 俺はありがたく髪を乾かしてもらうことにした。 屈むとすぐに温かい風が当たって、小さな手が髪に触れる。 俺は、こういう瞬間も幸せだ。 好きな子と付き合えることも、一緒に暮らせることも全部幸せ。 だから、そんな変なことをしなくても花莉にもたくさんの幸せをあげたい。