胸が苦しくてたまらなくなった。



「唯斗君...」

「うん？どうかした？」
そう言いながら、私の顔を見た。

「なんか苦しい.....」

「苦しい？」

「胸が、ぎゅって、締め付けられるみたいな、変な感じ…が、する」

「胸？顔赤いな...」

おでこを触って、少し困った顔をしてから、私をお姫様抱っこしてベッドまで運んでくれた。

「あーあー、
計算通りにいかないな...」

「えっ？どういうこと？」

「だってぇ、凛さぁ、
俺の事好きになっちゃったんでしょ？」

「えっ？」

「発作でもないし、過呼吸になった訳でもないし、熱がある訳でもないのに、
顔が赤くなって、胸が苦しくなって…
それは、紛れもなく、俺に恋しちゃったってことでしょ？」

「は？」

「好きになっちゃったんでしょ？俺の事」

「いやいやいやいや、そんな訳」

私が、そう言うと、唯斗君もベッドに寝転がり私の事を見つめながら顔を近づけてきた。