あのとき、あたしが呼吸できなくなったのは……有料彼氏に、誰にも言うなと命じたから。
あたしも言えないようになったの?
あのとき、あたしが怪我を負ったのは。
瑠々子に──!
「あれ実は呪いの本でしたーって瑠々子に言ったら、真っ青になっちゃって。でもあんだけびびってたんだから、どうせ実行しないよ、大丈夫。言ってたのに……あんた、やっちゃうんだもん。瑠々子があんたに伝えようとしたとき、もっと知らずに持ってろよ、ざまあみろ、そのくらい思ってたのになあ」
朋実が笑う。
「だから教室で、瑠々子の言葉をさえぎったの。でも、あんたやった気がしたから……さすがに申し訳ないかなと思って青くなった。──そのときはね」
呼吸のテンポがおかしくなって、咳き込んだ。
「さっきのここでの会話のあと、瑠々子はすぐにあんたを追いかけた。教えてあげないと、って。うちは遠くから見ていた。もし瑠々子に何かあったら、すぐに動けるように」
細められたその目の奥から逃れようと、下ばかりを向き続ける。



