「少し?」 「うん、ぜったいに殺してはダメ」 1万円を支払う。またてのひらで視界をさえぎられる。 「仰せのままに……」 瑠々子のせいで、あんなに怖い思いをして本を捲らなければならなかった。 瑠々子のせいで、意地を張らされた。 瑠々子のせいで、呼吸がままならなかった。 難癖と言われればそうだ。 だけれど、あたしからしたら……理由。 視界が開けたとき、彼は小さく笑っていた。