有 料 彼 氏



彼と出くわしたのは、昇降口。


名前も知らない、あたしの彼氏。


「……ご用件は」


腕を引いた途端、これだ。もしかして、あたしは用がある、そうわかっていたのだろうか。


「瑠々子……瑠々子を、少し、傷つけてよ」


悪い顔をしていると、わかっている。でもそれがすごくよかった。


気分?ううん、たぶん違う。


──あたしらしさ、だ。