有 料 彼 氏






教室に着くと、瑠々子が駆け寄ってきた。


「ゆずちゃん!」


こんな大声は初めて聞いた、それが第1感想。


彼女の慌てようには、見て見ぬふりという策をうった。


面倒だったのだ。朝から彼女に付き合うことが。


それでも瑠々子は、あたしの手を握り、目を覗き込んでくる。


舌打ちを堪えながら、「何」


黒を隠さず、たずねる。