夏色の初恋を君にあげる(野いちごジュニア文庫版)



「ああ、ここはね――」



式を指さし、説明を始める。



すると、斉藤くんが教科書を覗き込むように額を近づけてきた。



「おー、なるほど」



斉藤くんが納得の声をあげる。



どうやら無事に説明できたらしいことにホッとしていると。



「凛子ちゃーん、呼び出しだよー!」



不意に、教室の入り口の方から、私の名前を呼ぶクラスメイトの声が聞こえてきた。



呼び出しなんていったいだれが、とそちらに顔を向けたその時、入り口の影から彼が姿を現した。



「やっほ、凛子さん」



「由良くん……!?」