夏色の初恋を君にあげる(野いちごジュニア文庫版)





「俺、体質で日焼けしないんですよね」



「たしかに、外出てるのに全然焼けてないね」



「そー。でも、男はこんがりしてた方がかっこよくない?」



「ふふ、焼けてる由良くん、想像できないよ」



由良くんのおかげで暗くなりかけた空気も持ち直し、他愛ない話をしていると、いつの間にか駅に着いた。


入り口付近にやって来たところで、不意に由良くんが切り出す。



「ねぇ凛子さん、連絡先教えてください」



「え?」



「知ってた方が、なにかと便利だし」



思いがけない提案に、鼓動が高鳴る。


由良くんと連絡先を交換するなんて、夢みたいだ。



「うん……っ」