「何…これ…?」

「さァな?」

 ……怪しい。

 (いぶか)しみつつ、チョコレートを飲み込む。

 ──何も、ない?

「ねぇっ、本当にこれ……っ!!」

 飲み込んだ後しばらくすると、カラダの中がカァッと熱くなった。

「何か、って?媚薬(びやく)だが?」

「媚薬…!」

 あの、忌々しい──!

 いつもいつも、前世では岩代徹に襲われるたびに…飲まされ、食事に入れられ、私を悩ませた。

 何度飲んでも、その効き目は弱まることはない。

 今も──いや、今回は初めてだからかもしれないが──カラダの奥がドクドクと脈打つように熱くなっている。

 何度飲んでも、慣れない。