「うん、たった1人の弟だからね。」


そう言う蓮の顔は、お兄さんの顔をしていた。




「あ、電話だ。…ちょっとごめんね」



確かに見えたディスプレイの、蓮が話していた弟さんの名前が見えた。


…だからだろう、あんなにも蓮が嬉しそうなのは。





「芽依〜!聞いて!」

「ど、どうしたの…?」


急に抱きついてきた蓮を受け止めるのに必死で、つい答えてしまったけど……気を抜けば倒れそう、この体勢。