この大きなツリーも。 私を追いかける、藍も。 全部全部…… 「知ってる……」 あまりの頭の痛さに、街中にも関わらず蹲った。 目線も痛いし、目立つことが嫌いな私にとってはありえない行為だった。 けれど今は、このぐるぐる巡る知っている記憶と覚えがない記憶が治まるまでは─── 「大丈夫だから、ゆっくり深呼吸して。」