上手く呼吸が出来なくて、それからくる涙がやっと流れた。 不本意な涙は癪に障る。 それに私の首を絞める、焦点の合わない男が笑っているところを見て吐き気がした。 こんな時に笑っていられる神経と、さっきから気になる手の注射痕が徐々に確信へと繋がる。 「…っは、…は…」 首から手を離され、息を吸い込んだ。 やっと解放されたと思ったらまた手が伸びてくる。 それがやけに恐ろしかった。 だから何も顧みず、呟いてしまったんだ。 「 助けて…─── 」 その、悪魔の言葉を。