きつく縛られた紐を、どうにか外れないかともがく。


我ながららしくないなと思いながらも、逃げ出したい一心で無駄な努力を続ける。



「だーかーらー、無駄だって!」


手首を踏まれ、思わず声が出そうになったのをすんでのところで我慢した。


痛がってなんかやらない。
声なんかも上げない。

どうせこんな男たちなんか、そういう反応を見せれば喜ぶだけ。



「据え膳食わぬは男の恥って言ってな?もう据え膳2度食らってんだわ」


私に跨り、頬を軽くぺちぺちと叩く“翔くん”。