目が覚めると、藍が居た。 こんな光景を今まで何回見てきたかな。 「芽依…」 元々細いのに、さらに痩せちゃって。 寝てないのか目の下にクマもある。 「おはよ、藍。」 傷が痛むから少しだけだけど、笑ってみせると藍は雑に目元を擦った。 「よかった。本当に、よかった…」 私はこんなに優しい人を何回泣かせてしまうんだろう。 …もう泣かせたくない。 どうやったらその涙は止まるのかな。 「…好き」 「………」 …あ。止まった。