藍 side



「だから落ち着いて!」

「落ち着いてられるかよ…っ!!」



倉庫の硬いコンクリートを殴る。

その衝撃に皮膚が負け、血が出てきてもお構い無しに。




「藍!そんな傷つけて…芽依が戻ってきた時、そんなところ見せてもいいの?!」




…芽依が戻ってきた時、か。





「どこ、行ったんだよ…」




その芽依がいないから、俺の前からいなくなったから、こうなっているのに。





「…俺がついてながら…」



あの後すぐに追ったら、もうどこにも芽依はいなかった。

何時間も探して、探し回って、携帯も鳴らして。






それでも芽依は出ないし、見つからなかった。