きっと蓮も、藍にあげることに賛成したと思う。

だって藍のことが大好きだったお兄ちゃんだから。




「………」


何も言わないけれど、藍はまた肩を震わせている。

そんな藍が私よりもずっと背は高いのに何故か私より小さく見えた。






「…ありがとう、芽依。大事にする。」


その場でピアスをつけた藍は、涙を指で拭いながらそう言った。


意外に涙脆いところとか、素直なところとか。


やっぱり蓮に似ていて、でも藍は藍で。







「絶対、大事にする…」




藍の耳につけられたピアスは、その時より一層輝きを増した気がした。