クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

 その時、有村くんがふいに、手に持っていたキャンディの瓶を見つめ呟いた。


「なぁ、赤いチューリップの花言葉ってさ、『愛の告白』なんだっけ?」


「……う、うん。そうだよ」


 私が照れながら頷くと彼は、何を思ったのか急にキャンディの瓶のふたを開ける。そして、中身を一個取り出すと、私に手渡した。


「そっか。じゃあ、水沢もこれ、一個もらって」


 言われるがまま片手を差し出して、チューリップ柄のキャンディを受け取る私。


 すると有村くんは、そんな私を見下ろしながらこう言った。


「それで、あらためてちゃんと言わせてほしいんだけど……」


「えっ?」


「俺の彼女になってください」


 その言葉でまた、胸がいっぱいになる。


 夢にまで見た、彼との両想い。気持ちと気持ちがひとつにつながった瞬間。


「はいっ」


 私はキャンディを手で握りしめながら、笑顔で力強く頷いた。


FIN.