クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

「入学当初、変な噂が立って、みんな俺のこと怖がって近寄ろうとしなかっただろ。でも、水沢だけは俺に親切にしてくれて、嬉しかった。優しいなって思って」


 有村くんがそう言って、そっと私から体を離す。


 見上げると、頬を赤く染めた彼と目が合って、なんだかとても照れ臭い気持ちになった。


 どうしよう。有村くんは私のこと、そんなふうに思ってくれてたんだ。


 胸がいっぱいで、すぐには言葉が出てこないよ。


「だから、水沢も俺のこと好きだなんて、夢みたいなんだけど」


 有村くんが嬉しそうな顔で私を見つめ、微笑んでくれる。


「わ、私も、夢みたい……。私だって、あのキャンディをもらった時からずっと、有村くんのことが気になってたから」


「マジかよ」


 もしかして、あの時から、お互いに恋が始まっていたのかな。そう思うと、なんだか運命みたいだ。