クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

 翌日。早起きした私は、朝一番に登校すると、窓際一番後ろの有村くんの席まで行き、こっそり昨日買ったキャンディを机の中に忍ばせた。


 ラッピング袋の中には、手紙も同封してある。


『この前はひどいことを言ってしまってごめんなさい。有村くんとまた話がしたいです。このキャンディは私の気持ちです。受け取ってください』


 手紙にはあえて、ストレートな告白の言葉は書かなかったけれど、このキャンディのことを知っている有村くんなら、きっと花言葉のメッセージに気がついてくれると思った。


 自分の机に座って、彼が登校してくるのをじっと待つ。


 ドキドキして、そわそわして、落ち着かなくて。緊張のあまり手足が震えてくる。


 有村くんはあのキャンディを見て、どう思うだろう。メッセージに気がついてくれるかな。何を今さらって、迷惑に思ったりしないかな。


 よく考えたらこれは告白なんだから、フラれてしまう可能性だってあるわけだよね。


 そう考えるとすごく怖い。不安でたまらない。


 だけどもう、今さら引き返すことはできない。


とにかく伝えるって決めたんだから、これでいいんだ。


 そう自分に言い聞かせながら、落ち着かない気持ちで待ち続ける。


 すると、その時教室の前のドアから、中に入ってくる有村くんの姿が見えた。


 ……あっ、来た!!


 たちまち心拍数が上昇して、ますます落ち着かなくなる。


 あぁ、どうしよう。気づいてくれるかな。なんだかもう生きた心地がしない。