クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

「えぇっ、マジで!?」


 授業が終わったあと、どうしてもさっきの出来事を誰かに話したくなった私は、明日香ちゃんにこっそり打ち明けてしまった。


「じゃあ、小夏が恥かかないように問題を交換してくれて、先生にはわざとああやってとぼけてくれたんだ」


「そうなの。だから私、感激しちゃって……」


「それは感激するでしょー! なにそれ、カッコよすぎ! 有村くん実はめっちゃいい人じゃない? やばい、ますます見直したわ」


 興奮したように話す明日香ちゃん。


「でもさ、これってやっぱり相手が小夏だからだよね。有村くんってなんか、小夏にだけ優しいもん」


「そ、そんなことないよっ」


 だけどそこで私たち二人が話していたら、すぐ隣からジロジロと視線を感じて。振り向いたらそこにいたのは、里奈ちゃんや沙也加ちゃんたちの派手なグループだった。


 目が合った途端、ニヤニヤしながらこちらにやってきて話しかけてくる里奈ちゃん。


「ねぇねぇ、今話してたのって、マジ?」


「えっ」


「聞いてたよ。さっきの数学の授業、有村くんに助けてもらったんだってね」


 続いてその後ろから沙也加ちゃんも話しかけてくる。


「有村くん、マジ優しいんだけど。それ、絶対水沢さんのことが好きなんだと思う!」


「だよね、私もそう思った!」