クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

 有村くんのことが好き。そう確信してから、私の頭の中はますます彼のことでいっぱいで。教室にいても、いつも彼のことを目で追ってしまうようになった。


 授業中も、チラチラと彼のほうを見てしまう。


 集中しなきゃって思うのに、できない。


 有村くんの席は、窓際の一番後ろの席。いつも彼は授業中、頬杖をつきながら窓の外を眺めている。


 その瞳には何が映っているんだろう。一体何を考えているんだろう。そんなことを考えながらよそ見ばかりしていたら、ふと先生に名前を呼ばれた。


「それじゃ、問三は水沢にやってもらおうか」


 ハッとして教卓のほうに視線を戻すと、数学の宮野先生がチョークを片手に私のほうをじっと見つめている。


 そうだ。今は、数学の授業中なんだった。


 ボーっとしてたら当てられちゃったみたい。