クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

「そ、そんなっ。仲いいだなんて……」


「えーっ。仲いいじゃん! 私、ずっと思ってたんだよね。有村くん、なぜか小夏にはよく話しかけてるよなぁって」


「ウソッ。そうかなぁ?」


 そんなふうに言われると、照れてしまう。


「そうだよ。実は小夏のこと好きだったりして」


 しまいには、そんなとんでもないことを言われて。でも、それはさすがに全力で否定した。


「えぇっ! そんなことあるわけないって! まさか!」


「そうかな。あり得ると思うけどなぁ」


 否定しながらも、心臓がなぜかバクバクいってる。


 有村くんが私のことを? ありえないよ。


 ありえないと思うけれど、一瞬、そうだったら……なんてことを妄想してしまった私。


正直に言うと、そうだったらいいなって思ってしまうくらいに、有村くんのことが気になって仕方がなかった。