クールな君と甘いキャンディ(野いちごジュニア文庫版)

 お昼休みは、いつも明日香ちゃんと二人でお昼ご飯を食べる。今日は購買でパンを買う予定。


「それじゃ私、パン買ってくるね」


「うん、行ってらっしゃい。待ってるね」


 私が手を振ると、お弁当を片手に手を振り返してくれる明日香ちゃん。


 そのまま教室を出ると、私は早足で校舎一階の奥にある購買へと向かった。


 お昼時の購買はいつもすごく混んでいて、早くしないと売り切れてしまうんだ。


 今日も売り切れる前に買わなくちゃ。


「すいません、これくださーい!」


「おばちゃん、これいくら?」


 購買までたどり着くと、案の定今日も、ものすごい人だかりができて賑わっている。


 私はちゃんと買えるかな、なんて心配になりながらも、その人だかりの一番うしろに並んで順番を待った。


 今日は何のパンを買おうかな。えっと、焼きそばパンと、サンドイッチと……。


 そんなことを考えながら待っていたら、いつの間にか前にどんどん人がいなくなる。


 そして数分後、ようやく一番前にたどり着いて、パンを買う順番が回ってきた。