君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




「……顔、赤いね」


「っ……!」


「どうして?」


もう、心臓が破裂するんじゃないかってくらい。


ドクドクと耳元まで響いて、花火の音よりも自分の心臓の音のほうが大きく聞こえる。



「教えてくれないと、有栖ちゃんにもっとイジワルしちゃうよ?」


余裕そうに笑う凪くんには、わたしとは違って焦っている様子は全くない。



わたしばかりが凪くんでいっぱいで、少し悔しく感じてしまうけれど、かないっこない。


さっきから、気持ちがふわふわして、浮いているような感覚。



「教えてくれないってことは、イジワルしていいの?」



ダメって意味を込めて、首をフルフルと横に振る。


「やだよ、どっちもダメはナシ」


「ずるいよ……凪くん……っ」


「ずるいのは有栖ちゃんだよ……」


片腕を優しく引かれて、大きな身体に包み込まれた。



その直後、今日いちばんの大きな花火が打ち上げられた。