君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




「あーあ、なんでそんな可愛くしてきたの?」


「え……可愛いって?」


「有栖ちゃんが可愛すぎて無理って言ってんの」



まさかのことにびっくりして、次の言葉がすんなり出てこない。


「いつも可愛いのに、今日はもっと可愛いから困る」


「っ……!」


「俺以外の男に見せたくないなあって思うんだよ。そんな可愛い格好でうろうろしたら絶対変な男につかまるからさ……」



すると、凪くんが急にわたしの手を握って立ち上がった。


びっくりしたけれど、それ以上に握られた手から伝わってくる体温にドキッとした。


さらに、わたしをドキドキさせるためにわざとなのか、耳元でそっと……。


「俺から離れちゃダメだよ?」


返事をする前に手を引いて歩き出してしまった。