君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




「じゃあ、午前はこれだけ頑張ってね。本当は先生が付き添いで教えようかと思っていたんだけど、藤宮くんがいるから有栖さんのことお任せしていいかしら?」



えぇ……!
そんな簡単にお任せされちゃうの?



「全然大丈夫ですよ。俺が責任もってきちんと教えるんで」



「さすが藤宮くんね。助かるわ。実はわたし別の仕事が立て込んでいてね。じゃあ有栖さん、わからないことがあったら藤宮くんを頼ってね?」



こうして先生は五分たらずで、教室から出て行ってしまった。


まさか、こんなかたちで凪くんと二人っきりになるなんて。


嬉しい反面、さっき逃げるように質問に答えなかったことへの気まずさがある。



だけど、凪くんはまるで何事もなかったかのように、課題のプリントに取りかかろうとしている。そんな姿を見て、わたしも何も言わず問題を解き始めた。