「まず、どうしてモデルをすることになったの?」



たぶん急いでいたから、メッセージでもそのことについては書いてなかった。

おれはご飯だけだと思っていたから、モデルっていうのはちょっとびっくりしたよ。


正直むかつくよ。

藍原くんがうらやましいよ。


それで、ゆきちゃんは雑誌に出ちゃうんでしょ?


ずるいよ。

おれのゆきちゃんなのに。




「モデルさんが急に来られなくなったみたいで、凌馬くんが学校に来て代役を頼まれたんです」

「ふーん」

「時間がないみたいで、断りきれず代役をすることになりました」

「それで、恋人役したんだ?放課後デートだっけ?」



おれの言葉に顔をバッと上げる。

実は部屋に入る前、ドアの前で少し話を聞いていた。


入るタイミングを見計らっていたのもあるし、ゆきちゃんがなんて言うのか気になったっていうのもある。


ゆきちゃんは目を潤ませておれを見てくる。


その表情はやばいよ……。