「雪ちゃん顔ひどいわね…目真っ赤よ?」
あたしの顔を覗き込んできた香奈さんは
そう言うとあたしを立たせた。
「おいで。ちゃんと直しておかないと」
鏡の前に座らせて道具を出して
あたしの顔を整える。
「…まぁこれでなんとかなるでしょ。
じゃあ早く帰る支度して…
そんな顔じゃ撮影なんて出来ないしね」
「…はい、ありがとうざいました」
香奈さんにお辞儀をしてかばんを
手に取ったあたしは扉の前で足をとめ
光輝を見つめた。
「じゃあ…またな」
小さく笑った光輝。
「好きだよ光輝。覚えてて」
「俺も…」
あたしも光輝に小さく笑うと
楽屋から出た。
「ありがとうございました、香奈さん」
「ん?」
「あたしと光輝を合わせる為に
してくれたんですよね?」
「あぁーいいのいいの。
2人の悲しい顔見たくないし…
早くなんとかして2人には
前みたいに戻ってもらわないと」
前みたいに…。



