あたしだけ目を合わせようとしない。
笑顔を向けてくれない。
何があったの?
どうしたの?
聞きたいけどガードが見張ってて
光輝には近づけない。
そんな毎日が続き、
宮さんの家にすむようになって2ヶ月。
10月になった。
光輝の家に荷物があるのにわざわざ
新しい教科書、ノート、制服…
その他身の回りの物を宮さんの指示で
全て買い換えた。
送り迎えもガードが行い、
学校の外にはガードの車がずっと
待機している。
学校でも見張られているあたし。
「おはようございます愛莉さま」
まだ慣れない井上さんのあいさつで
目が覚めて、
あたしには広すぎる部屋で支度をする。
宮さんと一緒に朝食を食べて
出掛ける。
「今月号のSeven表紙でしたよね。
とても良かったですよ」
お世辞なのか本音なのか分からない
ガードの言葉。
「ありがと…」
気の無い返事をし、車の中から
外を見つめる。



