先生の声に視線を上げたら、クラスのみんながこっちを見ていた。
「イチャイチャすんなら休み時間にしろよー」
「…!」
先生、その言い方は語弊がある…!
注目を浴びたことで離れた手を見てみると、黒いペンでよくわからない絵が描いてあった。
なんかもう、気が抜けるほど変な絵だ。
「なにこの下手くそな絵」
「は?どう見てもお前の顔だろ」
「はぁ!?」
満足したのか、柏木くんはペンを筆箱にしまいながら言う。
「消えにくいから、そのペン」
「うそでしょ!?」
「よかったじゃん、俺ってばやっさしー」
「意味わかんない!」
・
・
・
休み時間、何度も何度も洗ってみるけど、柏木くんが書いた下手くそな落書きは本当に全然消えてくれない。
「もー、むかつくっ」
何度もゴシゴシして赤くなってきた手の平を見て、消すのはもう諦めることにした。
なんでこんな所に落書きするかなぁって、腹立たしさが拭えない。
「それにしても……。あはは、ほんと下手くそ」
もう一度絵を見てみると、なんだか笑えるほど下手くそで。
自分の手の平を見て一人笑っている私は、端から見たらきっと相当気持ち悪い。
「ハナエ」


