「おはようハナエちゃん」

「おはようございます」

「すごいね天気、大丈夫?」

「はい、大丈夫で───」


ブオォォォォォオオ!!!!!!!


「ぎゃぁぁああ!!?」



今日一番の突風に、一瞬視界が本気で真っ白になった。

かろうじて見えた視界の中で吹っ飛びそうになっているハナエがいたから、焦って腕を掴んで引き寄せる。

雪に慣れていないハナエは、向かってくる風と雪に既に負けてる感じだ。


「あーもう、なんだよこの天気っ!」

「まじ休校にしろっつーのな」

「前が全然見えない…!」

「大丈夫だから、手離すなよ!」

「はいぃ!」


少しだけ弱くなった風の中、再び学校へ向けて歩き出す。

三人で風と闘いながらどうにか辿り着いた玄関では、みんなが同じように疲れ切ってぐったりしていた。