やがて春が来るまでの、僕らの話。


<柏木side>



「なに、カッシー。こんなとこに呼び出して」

「懐かしいでしょ?」


いつも昼休みに弁当食ってたこの場所に、なんの用があるわけでもないけど。

でもなんとなく、ここに来ておきたい気分だったから。



「そこに志月くんが座って、ここが俺で、そっちが陽菜。んで、隣がハナエの席だったよね」

「座る場所決まってたもんな」

「たまに律くんが来んのね、説教とかしに」

「はは、懐かしい」



志月くんを真似て俺もなんとなく座ったのは、自分じゃなくて陽菜の席。


今更初めて座る陽菜の席で、資料室を見渡してみる。


八年前より埃っぽくなった気がすんのは、多分気のせいだけど。


いや、でも気のせいじゃないのかも。


やっぱ机とかも古くなって、



「え、」



机、古くなったなーって、下を覗いてみたら。



「どした?」

「………」

「カッシー?」

「、」



なんだよ、まじで……



やめろよな、こういうの。



「…、…バカだねー、陽菜」

「…?」



志月くんが覗く、机の端っこ。


いつ書いたんだってくらい、古くて読みにくいけど。



でも俺たちには、読めたんだ。





『学校、楽しいな。ハナエも志月くんも律くんも大好き。ひでのバーカ!でも好き』