やがて春が来るまでの、僕らの話。




「ハナエちゃん」



抱きしめられる教室で、いつかの日みたいに、律くんが私の首に顔を埋めた。



「今度こそ、絶対大事にするから。約束させて」

「、…」

「一生ハナエちゃんの傍にいる」







ねぇ私、知ってるよ。


ずっとずっと心の安定剤にしていた、陽菜から貰った大吉のおみくじ。


それがいつからか、無くても平気になっていたこと。


私、気づいてたよ。


おみくじがなくても平気になったのは、


おみくじがなくても生きていられたのは、


律くんが傍にいてくれたから。


いつだって一番近くで、一番優しく私のことを見守ってくれる律くんに出会ってから、



陽菜にもらった心の安定剤から、



私は卒業できたんだよ……






ドドドドドドーー!!!



「うおっ、なに、」



屋根の雪が大量に落ちていく音が、静かな中に突然響いた。



「今日暖かいから、雪も解けてるのかな」

「なんだ、ビビッた」










「志月くんとカッシー、資料室でなにやってるんだろうね。ハナエと倉田先輩もいないし」

「もう私、雪合戦で汗だくよ~」

「おかしいな、もっと寒いの想像してたのに」



ドドドドドドドーーー!!!



「うわ、すごっ!今屋根の雪一気に落ちたよ、見た!?」

「すげぇ迫力…」