やがて春が来るまでの、僕らの話。




ねぇ柏木くん。


いいのかな?


好きって伝えてもいいのかな?


柏木くんが一番幸せになってほしい人を、私は幸せにできるかな…?



わからない。


わからないけど。



だけど柏木くんが、初めて背中を押してくれている気がして……




───“負けんじゃねぇぞ”




支えてくれている気がして……




「、…律くん」




頼るばかりじゃなくて、頼られるばかりじゃなくて。


お互いに寄り添い合って生きられたなら。


誰だってきっと、そんな関係を望んでいるはずなのに。


きっと陽菜も、柏木くんとそんな風に生きたかったんじゃないのかな。



きっと柏木くんも、そんな風に……




「……私、」

「………」

「、…律くんの、こと、が、…」

「………」

「…好き、…です、」





八年前、泣き崩れるこの教室で、律くんは一緒に授業をサボってくれた。


初めて授業サボったって笑う律くんに申し訳なくて、余計に涙が止まらなかったことを覚えている。


八年後のこの教室で、泣きながら「好き」って伝える私に驚く律くんは、「え?え?」って、何度も瞬きを繰り返している。



「頑張れ」って。


「負けんな」って。



柏木くんが、きっと言ってくれているから……



だから私は、負けたりしない。