あの日、
律くんに別れを告げられた、花火大会の夜。
───“別れよっか”
あの言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になったのを今でも覚えている。
本当は、柏木くんの傍にいることを選んだ私が言うはずだった別れの言葉。
それなのに、律くんの口から出たその一言があまりにも悲しくて……
律くんを見送ったあと、あの場所で、三十分も一人で泣いた。
辛くて苦しく、髪の毛を掻き乱すほどボロボロに泣いて、
ボサボサの髪と泣き腫らした目が、やっぱり痛すぎたあのとき。
本当はもう、今すぐこの世界から消えてしまいたいとすら思った。
だけど、私が消えるわけにはいかなかった。
だって、柏木くんを死なせたくなかったから。
いつも常に心にあった、もう一つの想い。
恋とは違う。
好きとは違う。
だけどずっと、柏木くんは私の生きる意味だったから……
「長い片想いが終わったなぁ」
「、…ッ……、、」
「すげぇスッキリ」
本当にこれでいいのか、わからなくて……
「、…ッ、…柏木くんの、…傍で、」
「それは俺が死にそうだったからだろ」
声にならない声でも、なにを言おうとしているのか理解してくれる。
そんな柏木くんと生きていくって、決めたのに……
「俺さー、この町に戻って来ようと思うんだ」
「え…」
「やっぱこの町で生きていきたい」
それはこの町が好きだから…?
それとも、陽菜がいるから…?


