やがて春が来るまでの、僕らの話。






<倉田side>



昨日のカッシーとの出来事を、頭の中で振り返ってた。

その間もずっと、彼女が泣いている息遣いが聞こえ続けてる。


「ごめん、彼氏と彼女として一緒に住もうって言ったのは俺なのに、別れてくれなんて……最低だよな」



どんな理由があったとしても、幸せにすることを自ら放棄した俺は、最低なんだと思う。


だけど。それでもどうしても、この別れが意味のあるものになってほしいから。


あんな弱い男の傍で、きっと苦労すると思うけど。


辛いことだって、この先たくさんあるかもしれないけど。


それでも、2人の未来が必ず幸せであるようにって……


俺はそれを、なによりも1番に願っているから……



「…もし、どうしても」

「、…」

「…いや、なんでもない」



どうしてもダメになりそうなときは……なんて、もう2人を甘やかすことはできない。


2人が選んだ道だから。


生きる為の決断だから。


踏ん張って、支え合って、2人は生きていくしかないから。