やがて春が来るまでの、僕らの話。




「俺はただ、お前が生きててくれればそれだけでいい」

「………」

「他はなんにもいらない」



なんでそこまで言えるんだって……


本当の兄弟でも家族でもない人間の為に、

なんでそこまで……



「なぁ、どうしたらカッシーは生きててくれんの?」



この人は、どれだけ出来た人間なんだろう。



「生きるのに、なにが足りない?」



どんだけ優しい人間なんだよ……



「生きる為になにかが足りないなら、足りないもん、埋めようぜ?」



そして俺は、どれだけ身勝手な人間なんだろう……


だって律くんがなんもいらねぇって言うなら、俺、欲しいよ。


律くんを死なせない為に、俺が生きなきゃいけないなら……



必要なのは、


足りないのは、



ただ1つだけ……



それすらも、律くんは俺にくれんの…?




ねぇ……





「……ハナエが足りねぇ」






最低だろ?


律くんが1番大切にしてる人なのに。


俺なんかより、ずっと大切な存在のはずなのに。


生きてくから譲ってよ、なんて……


いよいよ律くんだって呆れて、



「いいよ」

「、」

「それでお前が生きられるんなら……お前らがちゃんと生きてくれるなら、俺はなんだってやるよ」

「、…」




俺は……



どうしてこんなに弱いんだろう……