やがて春が来るまでの、僕らの話。




「ここで花火見てたの?」

「そう。なかなかの絶景でした」

「まじか。俺ら捜し回っててなんも見てねぇぞ」

「ほんとだよ!ちょっとカッシー、なんか奢ってよ」

「なんでよ」

「も~、心配したのよ」

「悪かったって」


カッシーが笑ってるから、多分みんなが安心した。

元気そうなカッシーに、なんかすっげぇ嬉しくなった。


「ハナエ」


賑やかに騒ぐ俺らの横で、若瀬くんの声にハナエちゃんが視線を上げる。

若瀬くんは、なんでか少し寂しそうに笑ってた。



「律くん、待ってる」

「え…」

「あの角曲がったとこにいるから。行ってやって」

「、」



少しの沈黙のあと、ハナエちゃんは静かに顔を上げて……俺たちに言った。



「…ごめん、みんな先に帰ってて」

「え、でも、」

「そうするわ。行くぞ」

「え?え?え?」


若瀬くんに引っ張られて歩き出す俺に、なにかを察したのかみっちゃんたちもついてくる。


カッシーとハナエちゃんを残すように、俺たちは2人から離れた……




「…律くんと、話してくる」

「じゃ、ここで待ってる」

「…うん」

「行ってらっしゃい」