やがて春が来るまでの、僕らの話。




ずっと黙っていたハナエが急に話しだしたから、空を見ていた視線が自然と移った。


未だに花火を見上げているハナエは、光に照らされたまま話しだす……



「私はわかる…」

「………」

「……私も好きだったから……柏木くんのこと」



ハナエの目に花火がキラキラ映ってて。

泣いてるみたいに、光って見える……



「若瀬くんでも律くんでもなくて…」

「………」

「私はずっと、柏木くんが好きだった」




もう1度、視線を花火に戻して空を見上げた。

さっきより、花火がキレイに見えるのはなんでだろう……



ハナエがいなきゃ生きてもいけない。


これを依存って言うのなら、初めて陽菜の気持ちがわかった気がする。


誰かに寄りかかって生きること。


誰かを頼りに生きること。


それが間違っていることなのか、俺にはよくわかんないけど。


それでも、生きる為には必要だから。


俺にはどうしても必要だから。



誰よりもずっと、



高1の冬からほんとはずっと、



1秒だって忘れられなかったこいつの存在が、



俺にはどうしたって、必要なんだ……




「ハナエ…」



ずっと触れたかったハナエの体に、初めてなんの迷いもなく手を伸ばしたあと、


ただ強く、抱きしめた……



そっか、やっと今、言えるんだ。





「好きだよ。まじで、本気ですげぇ好き……」







伸ばしたこの手をもう二度と、


死ぬまで絶対、放したくない。