やがて春が来るまでの、僕らの話。




「イッテ、…は?なに、」

「バッカじゃないの、なんでそんな普通なの!?」

「は、」

「どれだけ心配したと思ってるの!?どんな気持ちだったと思ってるの!?あんな電話がきて、どれだけ怖かったと思って……、冗談ならやめてよ!もう二度としないで!!」

「ハナエちゃん、落ち着いてっ」

「あんなバカなこと、もう二度と……、……ッ、…、」



玄関で崩れるようにしゃがみ込んだ彼女の肩を、支えたら……

やっぱりまた、震えてた。



「、…ッ、…嫌い、…」

「……え?」

「…、ッ、…柏木くんなんか、…」

「……」

「、…大っ嫌い、…ッ」

「…、」



なんでかな……

彼女が言う「嫌い」が、俺の耳には「好き」って聞こえて。


思わず支える両手を、離しそうになった……