やがて春が来るまでの、僕らの話。




「、…」


なにも答えは返ってこなくて、ハナエちゃんはしゃがみ込んだまま俺から目を逸らすように地面を見た。

悲しみに耐えているのか、それとも返答に困っているのか。

その両方なのかもしれないけど。


「……」


心臓が、さっきからすごい勢いで速度を上げてる。

半端ない緊張を感じて、そろそろ限界かもって思ったとき……


ハナエちゃんが、ポツリと声を出した。


「…柏木くん、は」


緊張は、喉のところで何かが支えるみたいに、息がうまくできない感じだ。

彼女にまで聞こえそうな心臓の音が、俺の中で響き回って騒々しい。


「…柏木くんのことは」

「……」

「いつも、思い出す…」


しゃがみ込んだまま悲しそうに地面を見つめるハナエちゃんが、カッシーの話しを始めてからまた大きく震えてる。

だからもう1度肩に手を回して、さっきみたいに擦ってあげた。