やがて春が来るまでの、僕らの話。




“カッシーのことが、好き?”



そう聞いた声に、俯いていたハナエちゃんの顔が少しだけ上がった。

上がった顔から目が合って、そのあとはまた、少しの沈黙が続いていく。


「、…」


涙が溜まった目が、光って見える。


ねぇハナエちゃん、ほんとは聞かなくたって知ってるよ。

その涙が全部、カッシーを想って流してる涙だってこと。

それがもう、きっと答えだってこと。


それに気づかないほど、俺はバカじゃないから……


「好き、だよな?」


カッシーのことを想って泣いているハナエちゃんに。

カッシーのことを想って震えているハナエちゃんに。

なんでこんな分かりきってる質問してるんだって、自分で聞いたくせして嫌気がさす。


でも、聞きたいんだ。

知りたいんだ、ほんとの気持ちをハナエちゃんの口から。


カッシーが大変な時に、空気の読めない男って思われてもいい。

自己中な奴って思われてもいい。


それでもどうしても、聞きたいんだ……